工房yagi84
工房yagi84は、滋賀県にあるうつわの工房です。
ともに美術を学び、それぞれ
職人とデザインの道に進んだ2人が
それぞれの得意を生かし暮らしの器を作ってきました。
デザイナーである妻が器の企画提案と写真媒体による広報を担当、
陶工である夫が釉薬の調合と器の製作を担当しています。
20年以上、長らく工房名を持たず、夫の個人名で活動して来ましたが
この度工房名が出来たことを区切りとし、今後の活動を工房yagi84として
展開させて頂きます。
昨今、森発言が世界的な反発を呼び、女性の活動が内助の功として
家事の延長のように扱われる在り方について、
2021年3月8日付けの京都新聞の社説で取り上げられました。
「創造搾取」という言葉を始めて知りましたが、これはまさに、
当工房の長らく抱えている問題そのものでした。
共に考え、サンプルを作り、試行錯誤を繰り返し、
すでに8割方の定番品は工房デザイナーの提案によって生まれたものです。
日々の暮らしの中で料理を担当し、またデザイナーとして時代の空気を形に変えていく
彼女の提案に私はいつも面喰い戸惑っておりますが、バトンを受け取り
形を成形していく中で自分の中から生まれていくのを感じます。
女性の視点で地に足の着いた暮らしの中から発想されるうつわは
多くの女性に受け入れられてきました。
料理をしない私が料理好きな方々に喜んで頂ける器作りの源はここにあります。
しかしながら、作家としての活動が求まられる時代性の中、
居心地の悪さを感じながらも、そういった事柄をオープンにするこちが出来ずにいました。
風通しよく、気持ちよく日々を過ごし働いていくためには、
工房としての活動が自分たちの在り方にとって一番自然であると考えました。
今まで2人で乗り越えてきたように、これからも2人で活動していきます。
どうぞよろしくお願い致します。
工房YAGI84 代表 八木橋昇
(京都新聞社説2021/3/8 はこちら)